花の都・フィレンチェ Part 1☆
2014年 05月 09日
ミラノとローマのちょうど中間地点に位置するフィレンチェは
トスカーナ州の州都で人口約35万人の小さな街。
紀元前10世紀にエトルリア人が集落を作ったことから
この街の歴史は始まります。
19世紀に6年という短い期間ではありましたが
イタリア王国の首都がおかれていたことがあるんですよ。
また現在、城壁に囲まれた市街中心部は
“フィレンチェ歴史地区”として世界遺産に登録され
世界中から沢山の観光客が訪れています。
その名は紀元前1世紀のローマ時代につけられた
花の女神を意味するフロレンティナに由来します。
花の都というと、街中がお花で彩られているイメージですが
実際にはあまり植栽はなく
そのかわりに、フィレンチェの発展に多大なる貢献をした
メディチ家の紋章(百合の花と丸薬)が
至る所で見受けられます。
ルネサンスとはギリシア・ローマの古典文化の再生を
意味する言葉で人間の精神の革新を求める文化運動のこと。
イタリアにおいては14~16世紀にかけて花開きました。
カトリック教会の束縛に縛られず
古代ギリシャ・ローマの人々のような
人間らしい自由な生き方を追い求めた時期と言ったら
分かりやすいでしょうか。
そんな華やかなルネサンス文化の中心都市であったフィレンチェ☆
自分達だけで街歩きするにはあまりにも無知なので
今回は日本人ガイドさんを個人的にお願いして
1日案内してもらいました♪
ここはドメニコ修道会の修道院でもあり
また別名“フラ・アンジェリコの美術館”といわれるほど
彼が描いた素晴らしいフレスコ画が沢山あります。
フレスコ画というのは
壁に漆喰を塗り、それが乾かないうちに
水性絵具で描いた絵のこと。
中に絵具が染み込んだ漆喰は
乾くと表面に固い皮膜が出来るので
それが絵の保護の役割を果たします。
とにかく、漆喰が濡れているうちに仕上げないといけないので
絵の完成のスピードを考慮しながら
下地の漆喰を作らないといけません。
考えただけでもなかなか大変な作業ですね・・・
イタリアの国立美術館は展示物の写真撮影は禁止されているので・・・
ここサンマルコ美術館のシンボルとされる作品がコチラの
“受胎告知”☆
15世紀に描かれたフラ・アンジェリコの作品で
天使・ガブリエルが処女であったマリアに
聖霊によってイエス・キリストを身ごもることを告げ
そしてマリアがそれを受け入れるという
新約聖書の場面を描いたもの。
特にこの作品は数ある“受胎告知”の中でも
レオナルド・ダ・ヴィンチの作品とともに
傑作とされているんですよ~
実際に見る機会があったら
天使・ガブリエルの羽を近くでよく見てみてください。
羽根の部分にだけ絵具に輝石の粉が混ぜられているので
見る角度や光の反射でキラキラ輝いて
とてもキレイなんです❤
この他にもギルランダイオ作の“最後の晩餐”や
ズラリと並んだ僧房の壁に描かれたフレスコ画も
素晴らしいですよ。
フィレンツェを代表する美術館の一つであるアカデミア美術館へ☆
サンマルコ美術館のすぐ近くにあり
ミケランジェロの美術館として有名で
もともとは美術学校でした。
そして何といっても美術の教科書に必ず載っている
あのダビデ像の本物がここで見れるんですよ♪
他にもミケランジェロによる囚人像などがありますが
やはりこちらも写真撮影は×・・・
ここは13~14世紀において
フィレンチェの政治の中心地だったところ。
94mの塔があるヴェッキオ宮の入口に
ダビデ像のレプリカがあります。
もともとはここにオリジナルがおかれていたのですが
風雨による劣化から守るため
1873年に現在のアカデミア美術館ヘ移されました。
お隣にある大きなアーケードがある建物は
“ランツィのロッジア”です。
コピーだけどね(笑)
高さは517cm。 かなり大きいです。
ダビデは旧約聖書に登場するのちにイスラエルの王様となる人物。
この彫刻は、巨人兵士“ゴリアデ”に対峙している場面を
彫ったもので、若年の時、羊飼いだったダビデは
投石機と石ころだけで、ゴリアデを倒します。
右手には小石を握りしめ
左手に布製の投石機をもち、背中にかついで
ジッとゴリアデをにらみつけているのが見て取れます。
そして、右足首のあたりをみてください。
後ろに何かあるのがわかりますか?
これは、この像が左足を大きく一歩出している構図であることと
とても重い大理石からできているため
重心が取りづらく倒壊の危険がありました。
そこでミケランジェロは目立たない形で
木の切り株を右足の後ろに添えることで
この像を支えているようにしたんですって。
オリジナルのダビデさんは
1527年の革命の際に左腕が破壊され
中心に太いワイヤーを通すやり方で修復されています。
その修復の後は、オリジナルのダビデ像の後ろにまわって
左手の手のひらをみると、ワイヤーが少し顔を覗かしているのが
わかります。
また1991年には入場客のひとりが
金槌で左足の甲を破壊するという事件もありました。
ミケランジェロの作品は完璧すぎるので
破壊する必要があった・・と犯人が言っていたそうな・・
いつの世もおもしろい考えの方がいるものですね(苦笑)
こちらはオリジナルです。
当時、大理石で彫像を作るときは
まずは石膏でモデルを作り
それを見ながら彫っていったのだそうです。
この作品の石膏モデルは今も残っていて
アカデミア美術館で見ることができます。
螺旋状にもつれあう3人の姿を彫りあげるのは
とても難しく、またこの作品には正面というものがなく
360度どこからみてもよいという点が
当時、かなり革新的だったそう。
この他にもシニョーリア広場、ランツィのロッジアには
素晴らしい彫像が沢山あり、しかも無料☆
是非足を運んでみてくださいね♪