Le carnaval de Binche Part.2
2017年 03月 08日

私がカーニバルに行った2015年は
パリでシャルリーエブド襲撃事件があった直後で
人の集まるところに行くことを自粛されている方が多く
なかなか一緒に行ってくれる方が見つからなくて…
見に行くのは無理かな~っとあきらめかけていた時に
近所にお住いのSさんが、声をかけてくださり
見に行くことが出来ました♪
マルディグラ当日は国鉄でバンシュへ☆
1時間ちょっとの電車の旅。
中央駅のホームに早めに行って電車を待っていたので
座ることができたけど、日本の通勤電車並みの混雑ぶりでした~~
到着したバンシュの駅は小さい街ながらも、なかなか立派!
歩いて、会場のグランプラスまで向かいます。

Le Gille☆
向かう途中、見かけて思わずパチリ☆
ジルは道化師のこと。
この言葉はフランス北部、ベルギーのみで使われているようです。
この方は右手にramon(ラモン)を持っていますね~
ラモンは柳の枝を籐で束ねてあり
箒のような形をしています。
悪魔を追い払うという意味合いがあるそうです。

ジルになるには条件があります。
バンシュ生まれ、バンシュ育ちでバンシュに居を構えるもの
もしくはバンシュに5年以上居住したの男性しかなれないのです。
またカーニバルの期間中はシャンパンと牡蠣しか食べないそうですよ~
これは中世のごちそうの名残からだそうです。
シャンパンと牡蠣…大好物なので
なれるものならジルになってみたいかも(笑)

市庁舎の前にあるグランプラスに到着☆
お昼時だったので、何か食べようと
グランプラスを取り囲むようにあるレストラン何軒かにアタックしましたが
どこも予約でいっぱい~~(涙)
どこかないかなぁと小さな路地に入ってみると
人の列があり、並んでいる方に聞いてみたところ
そこで簡単な食事ができるとのこと。
そこは保育園みたいなところで、観光客向けに
カーニバルのときだけ食事を提供しているという感じでした。
食事も2択しかなかったですが
小雨が降る寒い日だったので室内で座って温かいものを食べれたのは良かった♪
プラス、お値段も良心的だったし、トイレもあったし❤

食事した後、グランプラスに戻って、一番前の列を確保☆
雨も上がり、ホッと一安心♪
時間前にもかかわらず、会場のグランプラスには
衣装を来た人たちが自由に入ったり出たりをするんですよ。
日本だと、はじまる前はちょっとした緊張感があるのですが、この国には皆無。
いつもダラダラだらしない…(苦笑)
でもその自由さが良いところでもある。

開始時間の15時になっても始まらないのがベルギー(笑)
10分過ぎ、20分過ぎ、30分過ぎ…
1時間過ぎた頃に、ようやく人の出入りがなくなり
警察の騎馬隊が入場してきました!
やっと始まるのかな?!

音楽隊とともに入場してきたのは
かわいいチビジルちゃんたち❤
遠くまでオレンジを投げれないので
S'il vous plat!
(シルブプレ 日本語にすると くださいな~ って感じ)
…と声をかけると、ちょこちょこっと寄ってきてくれて
手渡ししてくれるの♪
外国の子って、なんでこんなにかわいいの~~

チビジルの後に登場したのは “Le Pierrot”☆
Le Petit Collège de Bincheという幼稚園と小学校の子供たちが
カラフルなピエロたちに扮しています。
パステルカラーの衣装がかわいいですね~❤
ジルと異なり、男の子だけでなく女の子もなれるそうですよ。

このピエロは16~18世紀にかけてヨーロッパで大流行した
La Comedia Dell’Arte(コンメディア・デッラルテ)という
仮面を使った即興演劇の登場人物をモチーフにしています。
とんがり帽子についている黒いマスクは
オオカミを表わしているんだって。

お次もかわいい衣装のチビッコ達の一団♪
L' arlequin☆
アルルカン…道化師のことです。

彼らは l’Athénée Royal de Bincheという幼稚園から中学校まである
ベルギー・ワロン州の公立学校の生徒たちです。
ピエロ同様、男の子、女の子どちらも参加できます。

こちらもピエロと同じく
即興演劇・コンメディア・デッラルテの登場人物から
インスパイアされたもの。
フェルト製のグリーンの帽子にはもふもふの縞模様の毛皮のしっぽ
黄色と赤、緑の三角模様のコスチューム
きゅっと結んだ黒いベルト
これらはアルルカンならではのもの。

Le Paysanという少年たち☆
訳すると、農民。
紺色のスモッグ、白いパンツ そしてプリーツリボンで飾りつけた靴。
ボリュームたっぷりのダチョウの羽と
長い白いリボンをあしらったエレガントな白い帽子。
その帽子の下には
“barrette”と呼ばれる大きな白い正方形の布
これを折りたたみ、頭部を覆い、顎下で結んでいます。
斜め掛けした皮のバックには沢山のオレンジをつめて。
オシャレな農民姿ですよね~

彼らも地元の学校
Le Collège Notre-Dame de Bon Secours de Bincheの生徒たち☆
ピエロ、アルルカンとの違いは
女の子は農民にはなれないこと。

なぜかというと“農民”になるには
ジルと同じ条件を満たしていないといけません。
つまり今、“農民”の格好をしている彼らは
“将来のジル”ということになります。
それを示すように、彼らはカーニバルの最後にマスクをつけます。
そのマスクはジルのものと似ていますが
口ひげと顎ひげがないものです。

さぁ、いよいよジルの登場☆
約1,000人いるそうです!
“ジルに複数形はない。何人いても1人のジル”
これはバンシュの住人が言った言葉☆
帽子の羽で半分隠れてしまいましたが
グランプラスにグレーの看板が掲げられています。
“PLVS OVLTRE”
これは市の標語でプルス・ウルトラと読み
ラテン語でもっと先へ…とか、更なる前進という意味。
カーニバルでは枠仕掛花火となるそうですよ~
ジルたちの先に見えてる尖塔は聖ユルスメール教会☆

ジルの起源は1549年まで遡ります。
この地方を統治していたハプスブルク家の王女で
ネーデルラント総督でもあるマリア・フォン・エスターライヒが
兄のカール5世と彼の息子のスペイン王・フェリペ2世をもてなすため
宴を開きました。
その宴に、当時征服していたインカ帝国の服装をした踊り手を
登場させたのがはじまりだと言われています。

独特の衣装はジュートでできたブラウスとパンツからなり
黄色と赤と黒のフェルト生地で装飾されています。
モチーフは星、ライオン、王冠など
150パターンほどあるそうです。
腰には“apertintaille”と呼ばれるウール製の黄色と赤のベルト。
ベルトには真鍮製の鈴がぶら下がっています。
首回りはプリーツのリボンでできた襟。
その縁にはレースまたはゴールドのフリンジがあしらわれています。
そして木靴を履いています。
みんな同じようにお腹と背中がぷっくりしているのは
身体と服の間に沢山の藁を詰めているから。

高さ1メートルもある羽根飾りは重さ3㎏!
ダチョウの羽で出来ています。
とても高価なものなので、雨が降るときはかぶらないそうです。
飾りの下は、barretteという名の白い綿製の帽子。
更に白い布を首まわりにまいて、髪の毛を全て隠しています。
ジルは個人では衣装も帽子も所有しておらず
バンシュに3軒ある "louageur"から借りています
"louageur"はカーニバルの衣装や帽子の製作と貸出に特化した店で
日本でいう貸衣装屋さんといった感じでしょうか。

彼らが投げるオレンジはorange sanguine という種類です。
ブラッドオレンジと言ったほうが分かりやすいですよね。
ニュース記事を読んだところ
今年はスペインから35トンのブラッドオレンジを仕入れたそうです。
なぜブラッドオレンジなのか…
キリストの血を表わすものだから…とか
踊り手がまいた金貨に由来するとか
(金貨の代わりにオレンジを配る)
調べたけどはっきりした理由は分からず~~
キャッチできれば幸運が訪れるといわれているので
そこかしこから S'il vous plait コールの嵐~~
最前列にいたので、キャッチしたり、直接手渡しでもらったりして
合計37個もGetしました❤
そのうち1つは、ジルのおじ様が
ほっぺにチューしてくれたらあげるよ~っと言ったので
チュッ❤として、いただいたもの☆
東洋人が珍しかったのかなぁ(笑)
赴任してから一度は見たいと思っていたバンシュのカーニバル☆
一緒に行ってくれたSさんのおかげで
素敵な思い出が出来ました♪
ありがとうございました❤
Le carnaval de Binche Part.1☆
2017年 03月 01日

今年の3月1日はカトリックにおいて“灰の水曜日”と呼ばれる日。
この日から復活祭までの46日間を四旬節といい
肉や卵、アルコール等の嗜好品を取ることを自粛して
キリストの復活を祝う準備をします。
また灰の水曜日の直前にあたる日曜日から火曜日にかけての3日間には
カーニバルが行われる習慣があります。
カーニバルは日本語だと謝肉祭といい
節制をしなければならない四旬節の前に祝宴を開き、どんちゃん騒ぎをして
それに備える意味があるようです。

世界各国で行われるカーニバル☆
日本人に一番認識されているのは
世界3大カーニバルの1つであるリオのカーニバルではないでしょうか。
(ちなみに3大カーニバルは、リオ、ベネチア、トリニダードトバコ)
私が住んでいたベルギーでも行われていて
特に有名なのが、ベルギーの西部にある人口3万人ほどの小さな町・バンシュのカーニバル☆
2003年に、ユネスコの無形文化遺産に指定されているんですよ。

数あるカーニバルの中で、なぜバンシュのカーニバルが世界遺産になったのか…
それは上のポスターの写真にあります。
ベネチアのカーニバルも仮面をつけることで有名ですが
ここバンシュでは全員同じ仮面をつけるのです。
その点が他のカーニバルと異なることが
ベルギーの民俗学者の研究によって明らかにされ
それが決め手となり、ユネスコから世界遺産に登録されることになりました。
決め手となったこの仮面姿を見ることができるのは
カーニバル3日目、マルディグラの朝のみ。
8時30分に駅をスタートするパレードで
ゴールのグランプラスに到着する直前に一斉に
この仮面をつけるそうですよ~

1394年、欧州でペストが大流行し、多くの人が命を落としました。
当時、バンシュは織物業で栄えていたのですが
ペスト蔓延の原因が衣服につく蚤のせいとされたため
生産は大打撃を受け、街の経済が衰退していきます。
王や貴族たちが去った斜陽化した街に残ったのは民衆のみ。
人々は自分たちの手でこの町を治め、復活させるという思いを込め
このカーニバルを始めたと言われています。
また皆が仮面をするのは、どんな社会的な地位があったとしても
仮面をかぶってしまえば同じで、全員が王になれるということから。
描かれている手入れの行き届いた髭は、権威や金持ちの象徴
メガネは修道士や学者といった知識人のシンボルとされていて
当時の庶民にはどちらも許されていないものだったそうです。
それを描いた仮面をかぶることで、誰もが上流階級になり
そして、みんなでこの町を治めるという意識につながっているんですね。

そんな謂れをもつバンシュのカーニバルは日・月・火の3日間行われます。
初日はDimanche Gras☆
日本語にすると肥沃な日曜日って感じでしょうか。
女装した男性が多く練り歩くマミゼル(ma misère)と呼ばれるパレードが見所。
日曜日なのでベルギー駐在の方は見に行きやすいですね。
しかしこの日はバンシュのカーニバルならではのジルもオレンジ投げも見ることはできません。
残念ですが…
2日目はLundi Gras(肥沃な月曜日)☆
子供と若者の日とされています。
HPを読むと、15時くらいにグランプラスで若者たちによるオレンジ投げがあるそうですが
ジルは見れませんので悪しからず。
最終日はMardi gras(肥沃な火曜日)☆
(英語ではパンケーキ・デイと言うそうです)
いよいよクライマックス! ジルの登場~
仮面のジル、オレンジ投げが見れます♪
祭りの最後には花火が打ち上げられ、最高に盛り上がるようです。
やっぱり見に行くならマルディグラの日よね~ってことで
ワタクシ、駐在時に見に行ってきました♪
2015年だからもう2年前の話なのね…
今回はカーニバルについての由縁をズラズラと書き連ねたので
次回はマルディグラのレポートを☆
写真をいっぱい撮っていたのでセレクトが大変ですが(苦笑)
近日中にUPしたいと思います。
ベルギー王宮一般公開 №2☆
2016年 09月 06日

20世紀前半、ベルギーは現在のコンゴ民主共和国を植民地としていました。
この“鏡の間”がレオポルドⅡ世の命により作られたのは
ちょうどその頃のこと。

暖炉の上方にある三角形の部分には
コンゴの地図のモチーフが施されています。

ベルギーを代表する現代アーティストであるヤン・ファーブルは
王室からこの空間に作品を作る機会を与えられ
彼は天井とシャンデリアを
約150万匹のスカラベ(ブラジルタマムシ)の鞘羽根で覆うという
実に斬新なモザイクを作り上げました。
ところで、ファーブル、虫ときたら
ファーブル昆虫記で有名なアンリ・ファーブルを
思い浮かべる人が多いのでは?
なんと、彼はアンリ・ファーブルのひ孫なんですって!

コンゴを植民地としたベルギーの政策の批判をテーマとしています。
なぜ彼がスカラベを使うのかというと
曽祖父の存在は言わずもがなですが
彼は16世紀から17世紀にかけてベルギー北部のフランドル地方で
多く描かれたヴァニタス画の影響を受けており
ヴァニタス画においてスカラベは“生と死の架け橋”の象徴とされていて
彼の活動テーマである“変容”を表現するのに
適しているからなのだそうです。
そこで気になるのは、この大量の鞘羽をどうやって調達してるのかということ。
ご本人のインタビュー記事を読んだところ
大学の研究機関から分けていただいているのだそうですよ。

一般公開の際も毎年テーマを変え、様々な展示がされるんですよ。
光の当たり具合によって鞘羽の色が変わり、とても美しいですが
虫が嫌いな方はあまり長居をしたくない空間かもしれませんね(笑)

Le Salon du Penseur (Salon Carré)☆
写真にはないのですが、この部屋の暖炉の上には
ミケランジェロ作の“Penseur”(考える人)のブロンズ像があしらわれた
置時計があり、そこからこの部屋の名がつけられました。
ロイヤルファミリーが亡くなられた時に礼拝堂として使われます。
イーゼルに飾られた肖像画はレオポルド3世とその妃、アストリッドです。

とてもシンプル。

広大で緑豊かなブリュッセル公園が広がります。

期間中にブリュッセルを訪れる機会があれば
是非行ってみてくださいね。
入口でパンフレットが売っているので(5€)
それを見ながら回ると分かりやすくて良いかと思います。
残念ながら、日本語版はなく
フランス語、オランダ語、英語のいずれかになりますが・・・

マグリット美術館ヘ芸術を楽しみに行ったり
少し歩いてグランプラスに行くのも良し。

ブリュッセル公園の中をのんびりお散歩していくのもいいですね♪

落葉していく木々も多くなります。
黄葉が舞う中をお散歩するのが、とてもヨーロッパらしくて
大好きだったのを思い出しました。
ブリュッセルに帰りたいな・・・
ベルギー王宮一般公開 №1☆
2016年 08月 10日

普段は迎賓館として使われているため公開されていませんが
毎年、ナショナルデーの翌日から9月の初めの間に限り
無料で中を見学することができます。
国王がベルギー国内にいらっしゃる際は
王宮中央の屋根にあるポールに国旗が掲揚されています。
私が行ったときは旗が上がっていないので
バカンスにでも行かれていたのかな?

行政や司法機関の建物のような地味な印象です。
歴史をたどると
18世紀、ハプスブルク帝国の女帝・マリア・テレジア所有の邸宅跡に
ワインの豪商により建てられた
“ベルビューホテル”が始まりとされています。
その後所有者が何人か代わりながらも
ホテルとして営業をつづけていました。
20世紀初頭になり
ベルギー2代目国王・レオポルド2世がこのホテルを
豪華な“ルイ16世様式”に全面改装。
その後、王族が居住するようになりましたが
現在、ベルギー王家の皆さんは
ブリュッセル郊外にあるラーケン宮にて生活されており
こちらにはお住まいになっていません。

ホワイト&ゴールドで統一された壁面に
ベルギーが誇るギルド職人によるクリスタルのシャンデリアが
良く映えて、とても美しいのです。

まずは玄関ホールと大階段から。
こちらは第2代国王・レオポルド2世の時代に
ベルギーの建築家・アルフォンス・バラットにより設計されました。
踊り場の中央のミネルバの女神の彫像が
格調高い雰囲気を漂わせていますね。

寄木細工の床とシャンデリアが美しい控えの間です。
写真にはありませんが、この部屋にはイギリス人画家ジョージ・ドーによる
レオポルド1世と最初の妻・シャーロット(ウェールズの王女・のちに死別)の肖像画があります。

金色のレリーフが施された壁と天井
そしていくつもの大きなシャンデリアが下がる帝王の間。
音楽会や舞踏会、その他の儀式に使われています。
床に敷かれたカーペットはペルシャ絨毯の一種で
ケルマン(またはキルマン)と呼ばれているものです。
1900年、国賓として訪れたガシャール朝(現:イラン)
第5代シャー(王様のこと)モザッファロッディーンより贈られました。

18世紀当時の装飾が美しいこの部屋は
娘・ルイーズ・マリーがベルギー国王レオポルド1世に嫁ぐ際
お祝いとして、父であるフランス国王・ルイ・フィリップが贈ったものです。
壁にはルイーズ・マリーと彼女の両親
(フランス国王ルイ・フィリップと王妃マリー・アメリー・ド・ブルボン)の
肖像画が飾られています。

即位式の際にご一家が着用したお洋服がこの部屋で
その時の写真とともに展示されていました。

“ベネチアの階段”と名付けられたこちらは
19世紀後半、アール・ヌーボー様式を建築に取り込んだことで有名な
ベルギーの建築家・オルタの師匠・アルフォンス・バラットの手により
改装されました。

19世紀のベルギー人画家・ジャン=バティスト・バンモアによる
大きな油絵が飾られています。
“ベネチアの階段”だけにベネチアンガラス製のシャンデリアが美しいです。

壁に飾られた絵画のように見える3つの大きなタペストリーは
スペインの偉大な画家・ゴヤによってデザインされ
マドリードで織られたものです。
それぞれ"La Danse"(ダンス)
"Le petit aveugle" (小さな盲人)
"La porteuse d’eau"(水の使者) という題がつけられています。
これらはスペイン女王・イサベル2世から
ベルギー国王・レオポルド1世に贈られました。
ちなみに左が"Le petit aveugle" (小さな盲人)
右が"La porteuse d’eau"(水の使者)

遠目から見たら、絵画にしか見えないですよね。
織物だと言われないと分からないです。

初代ベルギー国王・レオポルド1世とその家族の肖像画が
壁面いっぱいに飾られています。
Le Salon Cobourgと名付けられているのは
レオポルド1世がザクセン=コーブルク=ゴータ公国の出身であることから。
ザクセン=コーブルク=ゴータ公国は現:ドイツの小国でありながら
ベルギー、イギリス、ポルトガルそしてブルガリアの王家とつながりを持つ
名門なのだそうです。
肖像画は
レオポルド1世と妻・ルイーズ・マリー
レオポルド1世の両親
イギリス・ビクトリア女王の両親
(ビクトリア女王の母はレオポルド1世の姉で
ビクトリア女王の夫・アルバート公はレオポルド1世の甥)
レオポルド1世の大叔父
(フリードリヒ・ヨシアス・フォン・ザクセン=コーブルク=ザールフェルト公)

螺鈿細工が美しいピアノが目を引くこの部屋は
ルイ16世の部屋と呼ばれています。
当初は控えの間として、その後はラウンジとして使われていました。
青紫色の壁には、レオポルド1世ファミリーの肖像画が
また部屋にはレオポルド1世のコレクションも沢山置かれています。

pilastreは柱形装飾(ピラスター)のこと。
その名がついているように
壁に飾り柱の装飾がされているのが分かりますか?
そのピラスターの間に飾られた大きな絵はレオポルド1世の肖像画。
19世紀に活躍したドイツ人宮廷画家・フランツ・ヴィンターハルターによって
描かれたものです。
その絵の前に置かれた椅子は
フランス語読みだとアンピール様式、英語読みではエンパイア様式
と言われるデザインで
かの有名なナポレオンとその妻・ジョゼフィーヌが使用していたものだそうです。
また、ゴールドのハープは、レオポルド1世の王妃ルイーズ・マリーが
弾いていたものではないかと推察されています。
もともと待合室だったこの部屋は
のちに政府高官のためのダイニングルームとして使われるようになりました。

当初はオランダ国王・ウィリアム1世の接見の間として
使われていましたが、2010年に改装され
ベルギーを代表する現代美術作家・ミヒャエル ボレマンスの絵画が
飾られるようになりました。
写真の右端にある赤い服を着た女性の絵がそれです。
宮殿で働く召使いを描いたものなのですが
王宮にディスプレイされる題材としては珍しいとされています。
部屋に置かれた大きな地球儀と
円柱がモチーフとなったデスクは
第3代ベルギー国王・アルベール1世の執務室で使われていたものです。

深緑色の大理石をふんだんに使ったこの部屋は
第2代ベルギー国王・レオポルド2世のダイニングルームでした。
そのため、この部屋の階下には宮殿の台所がおかれたそうです。
見学に行った年は
ベルギー王室のアジアン・コレクションが展示されていました。

レオポルド2世の時代に作られた煌びやかなこの部屋は
玉座の間と呼ばれ、重要な儀式や式典が催される場となっています。
ギルド職人によるクリスタル・ガラスのシャンデリアと
寄木細工の床が見事ですね。
オーギュスト・ロダン作のレリーフは
ベルギーを構成するフランドル州とワロン州を表しているそうです。

クリスタルのシャンデリアが煌めく回廊
今日でも晩餐会や迎賓レセプションの場として使われています。
ルーブル美術館やヴェルサイユ宮殿を模してレオポルド2世によって
改装されたこの部屋の天井や壁面の装飾は素晴らしく
太陽の光の差し込み具合によって、その表情を変えると言われています。
真似ただけあって、ヴェルサイユ宮殿の鏡の間を彷彿させますね☆

やたら撮った写真の中から良いものをセレクトするのも
各部屋の説明を書く為に参照したフランス語のサイトを読むのにも
またブログを書くのも久しぶりとあって、色々手こずってしまって・・・
なので、王宮の目玉である“鏡の間”については次回、書きますね。
La fête nationale ☆
2016年 07月 21日

ベルギーの建国記念日。
早いもので、昨年末に本帰国してから7ケ月の時が経ちました。

ちょうど国王交代と重なり、行われた行事は特別仕様。
貴重な体験となりました。

そしてつい先日もフランス・ニースでもテロがあったばかり。
今年は超厳戒態勢でイベントが行われるのでしょうね。

引越で忙しかったこともありますが
自分自身の通院や
母の入院、ワンコの病気で常にバタバタ・・・
ようやく少し落ち着いた時間を過ごせるようになりました。
ブログに書けていないことが沢山あるので
少しづつUPしながら、ベルギーの想い出をまとめていきたいな。

目の覚めるような濃いブルーの空を見ると
今すぐにでもベルギーに帰りたい衝動に駆られます。
日本の忙しない生活より
ベルギーのゆったり流れる時間を恋しく思う毎日。
こんな思いを抱くのも年を取った証拠なのかな(苦笑)
Ferme du Château de La Hulpe☆
2015年 08月 02日

18時30分スタート、真夜中24時終了という超長丁場を
何とかこなした・・・っという感じ。。。
その日の朝、レシピと説明の最終チェックをしてもらいたくて
家庭教師の先生に来てもらったのと
夕方に準備のお手伝いにカティがヘルプに来てくれたので
トータル9時間ほどフランス語漬けとなった私・・・
おかげで普段昼寝をしない私がしなくては身体がもたないほど
今週は疲れが抜けきらず~~
週末になってようやく復活☆
お天気も良かったので、おススメだよ~っと教えてもらった
ユルプ城ヘおでかけ♪

19世紀になると炭酸ナトリウムの工業的製法・“ソルべイ法”を発見した
アーネスト・ソルベイが別邸として購入。
(彼はその特許で莫大な富を築いたと言われています)
その後1963年に政府に寄進
1972年にソルベイ公園として一般開放され今に至ります。

MEGAFONICというツアーをした時のパンフレットに掲載する写真を
コチラのお城で撮影したんだって♪
この日は夕方から結婚披露のパーティーがあるみたいで
準備に忙しそうでした。

訳するとユルプ城の農園・・・というだけあって
227haという広大な敷地が広がります。
馬房があったり、放牧されていたりして農園の名残を感じ取ることができます。

ブリュッセル出身の世界的に有名なアーチストである
ジャン-ミシェル・フォロンの美術館です。

絵を見たら、あっ、見たことある!・・・と(苦笑)
私と同じように思われた方も多いのでは?
館内は500点ものフォロン作品が所狭しと展示されていて
1分ほど映像を見てから本を開くように自動で開く入口のドアや
フォロンさんが絵を描き進めていく様子の映像おもしろかったです。

(彼はのちに受け取った手紙43通を画集“Lettres a Girogio”としてまとめています)
旅先だったのでしょうか?
日本から投函されたものもありました☆
シャチハタの印鑑を巧みに使っているところがおもしろい!
太陽を描きたかったところには“太陽”のハンコを
人間の目の部分には“目”のハンコが押されています。
またフォロン・・・とカタカナで書いてあるのもかわゆい❤

傘が噴水なんですよ♪

少し立ち寄ってみました。
色々施設が新しくキレイになっていてビックリ☆
ライオンの丘についての詳細は以前書いた記事を見てみてね→コチラ

大きな建物をカタツムリの親子が登っています。
ダンナさんの話だとここ2~3ケ月くらい前に急にカタツムリが現れたそう。
カタツムリを設置した意図は何なんだろう・・・

月曜日の教室で作ったお料理たち。
バタバタしていてメインの写真を撮り忘れましたが・・・
(鶏の照焼と添えのインゲンの胡麻和え&ホワイトアスパラの梅肉風ソース)
茄子の揚げびたし、白身魚とえだまめのしんじょ入りすまし汁、分葱のぬた
タコときゅうりの酢の物、手まり寿司、イチジクの胡麻和え
そしてデザートにはフルーツ白玉を作りました。
肝心のフランス語での説明ですが
これだけ作るとなると進行をどうするかで頭がいっぱいになり
めちゃくちゃなフランス語しかしゃべることが出来ず(涙)
私のひどいフランス語をカティとミシェルおじさまがが正しいフランス語に直して
みんなに説明するという、おかしなことになることもしばしば・・・
(彼ら2人だけは私のフランス語を理解してくれたの・・・)
フランス語については反省点が多々あるけど、
みんな楽しんでくれたのと、どのお料理も失敗せずおいしくできたので
今回は良しとしましょう。
こんな機会を与えてくれたシェフをはじめ参加してくれた皆さんに感謝です☆
・・・が、2度目は色々と大変だし、もういいかな(苦笑)
Le Château de Grand-Bigard☆
2015年 05月 04日

早起きしてハルの森に行った後、その足でグラン・ビガール城へ・・・
チューリップなどの球根花で有名なところです。
その週末で見頃は最後になりそう・・という話だったので
お天気はイマイチ良くなかったけど行ってきました。

主人は初めてでした。
オランダのキューケンホフには行きたくないが
家から近いここなら見に行ってもいいというので(苦笑)
彼曰く、キューケンホフは遠いし混んでるから嫌なんだって=3
ちなみにおととしのお城の様子はコチラ→ ★,★
去年の様子はコチラ→ ★

クジャクはフランス語で Le paon だと
家庭教師のセンセに教えてもらった。
でも発音が難しくて
私が言うと Le pont (橋) という風にしか聞こえないらしい(涙)
クジャクと橋とじゃ大違いだよね・・・
またその日のレッスンでは
La veille(前日)、 L'abeille(蜜蜂)の発音も注意されたの・・・
フランス語で、前の日にね・・・ってしゃべっていたのに
蜜蜂がね・・って言っているように聞こえたらしく
話がよく分からないわ・・と言われてしまった(泣)
スペルをいったら分かってもらえたけど
VとBの発音は日本人には難しい~~
この2つの私の失敗は、先生の小ネタ帳にメモされることに・・・(苦笑)

手入れの行き届いたフランス式庭園もキレイでしたよ♪
でも近くで見ると、ピークを過ぎた感は否めないかな。
チューリップの花びらの先がカリカリになっていたり
スイセンやヒヤシンスは既に終わっていたし・・・
その前の週がBESTだったのかなと思いました。

主人が出張者のアテンドのため行くことが出来ず・・・
まぁ1人で行ってもよかったんだけど
各駅停まりの国鉄に乗るのがめんどくさくて二の足を踏んでしまった・・

彼女に聞いたらメトロ2番、6番の終点Simonisで
19番のトラムに乗り換えて終点で降りたら来れるよ~とのこと。
少し遠回りだけどね・・・って彼女は言っていたけど
メトロ&トラムのほうが行きやすそう!
来年はその方法で行ってみようかな♪
Le château de Grand-Bigard
(Kasteel van Groot-Bijgaarden)
住所: Isidoor Van Beverenstraat 5 1702 Groot-Bijgaarden
Musées royaux des Beaux-Arts de Belgique
2015年 05月 01日

シンシアから、日曜日の午後、ヒマ?・・・とメールがあった。
特に何も予定ないよ~って返事したら
一緒にシャガール展を見に行こう!・・・とのお誘い☆
王立美術館の正面で待ち合わせして
シャガールの世界を堪能してきました♪
思っていたより、スゴク混んでいてビックリ!
パンフレットに使われているこの作品の名は“散歩”☆
ロシア美術館の所蔵品でシャガールと彼の妻・ベラの姿を書いたもの。
“愛の三部作”と呼ばれる作品のうちの1つ。

“誕生日”☆
ニューヨーク近代美術館所蔵作品です。
スゴイ格好でキスしてますね(笑)
残り1つの三部作はトレチャコフ美術館所蔵の“街の上で”☆
この作品は日本にいたときに見たことがあるから
これで三部作全部見たことになった♪

“私と村”☆
いかにもシャガールといった作品ですよね!

オペラ座には行ったけど
バレエの公演中で天井画を見ることができなかったんだよね~
パリに今度行ったら、本物を見てこなくちゃ!
今回、書かれた題名と説明文については大体分かったけど
フランス語のオーディオガイドは
早いし、使ってる言葉も難しくて良く分からなかった・・
でもシンシアが沢山フォローしてくれたので楽しめました☆
やっぱりリスニング、苦手だ~~
シャガール展、6月28日までやってます☆
興味のある方は是非♪
そういえば、ゴッホ展もモンスにあるモンス美術館でやってます。
こちらは5月17日まで。
行けたら行きたいなぁ・・・無理かな・・・
Les jacinthes sauvages☆
2015年 04月 30日

ブルーベルに会いに行ってきました♪
早いものでベルギーに来て3度目の春となりました。

何て幻想的なんでしょう。。
ほんの2週間前は、真っ白なアネモネで埋め尽くされていたというのに・・・

夜半から降った恵みの雨。
滴をまとった姿も美しい☆

日本に帰ったらお庭に植えたいな・・・
業者さんで扱っているところ、あるかな・・・

来年が最後となるのかな・・そう思うとちょっとさみしいな・・
このままベルギーにずっといてもいいな~っと思う今日この頃(笑)
だって、日本の夏・・・暑いんだもん=3

ベルギーは普通の日常でございます(笑)
たんまりある語学学校の宿題を見て見ぬふりしてたけど
さすがにそろそろ手をつけないとヤバくなってきた~~
宿題やりつつ、気分転換と称してこんなことしてるから
ちっともはかどらない(苦笑)
写真はフラワーアレンジのお教室で作ったアレンジメント☆
森の中で摘んできた草木をさっくり活けた感じの
ナチュナルなイメージのものでした。
日本の皆様、素敵なGWをお過ごしください!
Le bois de Hal☆
2015年 04月 15日

この日曜日も爽やかに晴れたので、ちょっと近くにお出かけ。
ハルの森にお散歩に行ってきました。

お友達から、ブルーベルはまだだけど
白いお花が咲いていて、とてもキレイだよ~っと聞いたので
ちょっと見たくなって・・・
一面ブルーの世界も素敵ですが
雪のような白さもまた良いです☆

運動したあとのお花を見ながらのランチ・・・
気持ちよさそう♪

フランス語だと“Anemone sylvie”といいます。
可憐なかわいいお花ですね♪

黄色い小さなお花もたくさん咲いてました☆

ブルーベルも咲いてましたよ~
カーペットのように咲くのはまだもう少し先かな・・・

葉っぱの付け根につぼみが顔を覗かしてはいますが・・・
お天気によるでしょうけど
4月の末か5月の初めくらいが見ごろになりそうな感じですね。

今年はスズランも見に行ってみようかな。
やっぱり、ヨーロッパの春はいいですね☆